渡り鳥がゆく <沖縄ーのどかな柔らかさ>
昨日、沖縄へ飛び立った。
那覇は朝から雨、“到着前まで快晴だった”と気の毒そうにいわれた。
仕事始めの4日、琉球銀行本店ロビーで沖縄伝統演奏の元、
それは美しい舞踊を納め言祝いでくれた。
三線と太鼓、琴、笛などに合わせて、少女達が楚々と舞う。
隣のおじさんは私をつついていう
「昔、王様が舞姫に惚れるってのがわかりますなぁぁ」
とためいきをつくのだった。
めを合わせてニヤッと笑って応えた
「そうですなぁ・・・惚れましたか?」
「ワハハハ」
昔、イタリア北部でスイスの生徒達と歓談したときの
ある仕草が美しい少女を思い出したのだ。
ある少年がこれまた私をつついて、
「あの子のマムは日本人だよ」
伝統で培われたのか、仕草にさえ女の美を醸す知恵を沖縄でも
脈々と生き続けて男達をとりこにするのである。
そして、客も銀行員も拍手して祝うのどかな柔らかさに、
ホッとしたのだった。