来る道、行く道 < 蔭 :ベトナム >
昼下がり灼熱の道を、蔭を求めて彷徨う
太陽は容赦せず厳しく、陽差しは肌を焼き打つ
目が回る、喉が渇き声がでない
向こうに焼けただれた、鶏が数匹回っている
満瑠壺の未来がそこにあった
あ、店の丸焼きこんがり鶏か
縁起の悪い、真っ昼間に見せつけるな
影があった、 よっこらせ
フーフー云って休む木陰
影を作るは、木々の緑
木蔭といい人々は憩う
木蔭って分かる気がする
木のお蔭
元気を取り戻して、
木の肌をなでて別れを告げた
なぜだか、しみじみと、父を懐かしく思い出した