千 年 の み ち

“渡り鳥” が描く今と未来               たちばなマルコ

 来る道、行く道 < ③カオダイ教-歴史と概要 :ベトナム Tay Ninh > 

カオダイの大枠をまとめた。


Cao Dai
1919年にゴー・ミン・チェウ(Ngo Minh Chieu)が興したベトナムの新興宗教
五教(仏教Buddhism、儒教Confucianism、道教Taoism、キリスト教Christianity、イスラム教Islam)の教えを土台にしたことから、カオダイ=高臺(高台)と名付けられた。1926年にこの地で五教を融合し興ったともいわれる。年代は人によりまちまち。

カオダイはベトナム道教の最高神玉皇上帝のことであり、大聖堂の祭壇中央に
信者を見下ろすように設置される大きな目だまは、カオダイの神の目である。
これは天眼と呼ばれ「宇宙の原理」「宇宙の至上神」の象徴。

 

      

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                      天眼


教義としては、中心が仏教で、カトリック聖職者の階級制度が見られる一方、
古来からの精霊崇拝の要素やイスラム的要素もあるという。
孔子Confucius、太上老君老子)、釈迦、観音菩薩、キリスト、ムハンマド
さらには李白ソクラテストルストイヴィクトル・ユーゴー註1などを
聖人や使徒と仰ぐ。

また、1959年に死んだファン・コン・タックがカオダイの新たな教祖として
祀られている。タックはキリスト教徒であったが仏教儒教、老教、キリスト教神道を束ね世界の救済を願った。

      

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                 教祖達
カオダイは
第1回目の人類救済のために釈迦の姿を借り現世へ現れ、
第2回目はキリストと老子の姿を借りて現れた。
現在、3回目の人類救済のために東西諸宗教を統合したとう。

註1:ヴィクトル・ユーゴー1802年-1885年:『レ・ミゼラブル』で有名な小説家。
フランス・ロマン主義の詩人、七月王政時代からフランス第二共和政時代の政治家


この統一、統合の妙に感嘆する
“なんでもあり”のベトナム、みごとである。