千 年 の み ち

“渡り鳥” が描く今と未来               たちばなマルコ

来る道、行く道 < ⑪司教と司祭僧と面談 :ベトナム Tay Ninh カオダイ調査 >

 

 

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               麗しの聖堂


いつも、にこやかに迎えてくれる行者顔の風紀委員が
昼の礼拝の時、一人のおっさんを連れてきた

「まるこ、彼は英語ができる。役立つと思うよ」

握手した相手は、商売人のボッタクリ顔バイクタクシーの運転手だった
   “友達にはなりたくないな”

「何でも聞いてくれ、教えたげるぜ」とボッタクリ顔がいう
「あんた、その格好で信者はん?」といと
胸を張って、そうだという

フィが訳してくれた、きれいな字の大切な紙を
汚い手で奪うように取り読んで
分かったのか分からないのか、人々としゃべっている。

顔には「なんのこっちゃ?」が顕れている

後をつきまとい「寺院の外へ行こう、そこで説明する」
「こんなに周りに憩いの場があるのに、
わたしゃ、訳も分からんとこに連れて行かれとうないわぃ」
    

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               聖花運びの喜び  

一時間ほどの荘厳な礼拝が終わり、ほっとして
昼食と昼寝をしようと思ったら、ボッタクリ顔が寄ってきた。

「ここから7キロほど離れたところにいいところがある
 連れてってやる、バイクで」
「ほー、ただやろね」
「****、ま少しはねぇ・・・」

「わたしゃ、ここの“わかっている”お人にお教えいただきたい」
「俺を信じろ、オッフィサーを紹介する、通訳したる」

連れて行かれたところは、離れの別棟。
二人の落ち着いた人が座って茶を飲んでいる

お互いに深々礼をして、フィのお願い文を見せた。
ゆるりと受け取った気骨ありそうな僧は、文字を辿る。

恰幅ある人は、じっと眺めている。

「客人よ、ま、喉を潤したまえ」と水を勧めてくれた。

何でも訳すといったバイクタクシーの運ちゃんは、
いつ始まったとか形式的なことは何とか説明してくれるが、
教義の深い意味とか目指すものとか、
五つの宗教の融合を如何に行ったかなど
まったくもって問いかけさえできはしなかった。

気骨ありそうな僧はBishop(司教僧)だそうで、
恰幅ある人はPriest(司祭僧)だというのが
15分かけて分かった

見切りをつけ、お二人とお礼握手をし
再会を期してすぐに別れた。

天からの陽差しは、ますますきつくなってる昼さがり
フォーを食って、はよぅ昼寝しなされと促していた。

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              三 聖 人