来る道、行く道 < 21 拈華微笑 :ベトナム Tay Ninh カオダイ調査 >
この十日弱の間、ほとんど言葉を発しなかった。
目と目で、指で掌で腕で、コウベと胸で・・・
通じ合えた。
一番はカオダイの印を結んでの礼だった。
かれらの厳粛な態度と、恭しい仕草を見習った。
何千年もの昔、シッダルタが弟子達に口で説教することなく、
かたわらの花をそっと曲(拈)げて極意を伝えたと
それは美しい詩的な表現で伝わっている
拈華微笑
ねんげみしょう
もちろん、それほど深遠な意思伝達ではないが
言葉なしの心が、すいすい通う今回のカオダイの経験は
私の一生をいつも温かくする“想い出”となるだろう