渡り鳥がゆく < 笑顔の違い :ベトナム An Nhon Tay アンノン亭 >
自転車に乗った兄弟のベトナム少年が、
「ハロー」と無理して英語で挨拶してくれる。
日蔭のカフェのおばさん達が手を振ってくれる。
95才のお婆ちゃんが歯がないのか、しぼんだ口をもぐもぐさせて
握手してくれる。縁起よく、元気で長寿となるかな
朝っぱらから、ベトナム将棋に熱中しているおっさん達の横で
立って観戦していると、椅子がすい~っと出てくる。
おたく、そうでまっか~
ほー、『馬』がある、日本と同じ動きで、飛車のようなもある。
右のおっさんは王を取り持っているが、
どうやら未だ勝負がついてないらしい。
後ろから若者が肩をつついた。
おや、昨日立ち話した若者じゃないか! 偶然に握手した。
目がとてもきれいな若者だったからよく憶えている。
早朝、バンミーを食べるまで、何十人と挨拶したことか。
けったいな格好してるから目だつのだろう。
商売人ではない、本心からの親しげなまなざしを感じる。
昨日買ったマンゴーのでかいのを、カフェで食べても、文句一つでず、
若い店員は何か話しかけてくれる。
思うに、概してだが
西洋人の笑顔は「社交術」のもの
アジア人(少なくともベトナム)の笑顔は
「いきものとしての親しみからにじみ出た」もの
ポタリ、ポタリと落ちるベトナムコーヒーを眺めつつ
アンノン亭(An Nhon Tay)のひと時を楽しんでいる
ポタリポタリと時刻む