千 年 の み ち

“渡り鳥” が描く今と未来               たちばなマルコ

 渡り鳥がゆく < 怒りの布施 :ベトナム An Nhon Tay アンノン亭 > 

 


宿泊所の女将をどやしつけた。

これは満瑠壺家のわるいくせ
一年ぶりだ

夫ウエルナーは「わしが、ここの主だ」と断言し、
早口英語で疲れるが、いい人だ。

妻は口うるさい西洋崇拝のベトナム人だ。
だから夫にドイツ人を選んだのかもしれない。
私よりかなり年下のウエルナーは腰を痛めており、
もうすぐ年金が入ると喜んでいる。

買ってる四匹のでかいダルメシアン
二階の宿泊ロビーに来て、ションベンした
満瑠壺がドアを開けたからだ、と女将が文句を垂れる。

「さよか、わしゃおねしょはするけど、
 ロービーにはせん。あんたの犬がした」
フンと無視した。半分関西弁だからわからんだろ

西洋人が泊まると、スリ寄って
せっせと西洋料理風なものを作ってる。
ウエルナーは笑って、「西洋風ベトナム料理」といっている。

満瑠壺は、こんな田舎で高価でまずい
西洋料理もどきが食えまへんでと、
地元のうまい本ベトナム料理を食いに出る。

商売に結びつかなから、また不満を夫に言う。
ロビーのゴムワラジを部屋と外で履き替えろと
ブツブツ文句を発酵させるので
「あほんだら!文句たれめ!」と200メートル離れた
ところまで聞こえるようにいった。
右胸が痛むほどにね。いたぁ!

それ以降近づかなくなった。

代わりに夫としょっちゅうやり合ってる。
共に煙草をスパスパ、瓶ビールをガブガブ飲みながらねぇ。
  それやめたら、金持ちになるでぇ

かって日本は一ドル360円だった。お若いのしらんだろ
今一円が200ベトナムドンVndほどだ。

かって日本は米国崇拝だった、
ベトナムも西洋崇拝なのだろうな。

分かる分かる、歴史の流れだ。

満瑠壺は、人に怒りをぶつけたら一万円を
プロジェクト布施壷に放り込むこととしている。

 

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あのでこうて綺麗な壷、喜ぶやろなぁ
懐は痛がるやろなぁ ・・・すまん