渡り鳥がゆく < さよなら、アンノンテイ 6/15 :ベトナム An Nhon Tay >
空はうろこ雲で美しい
気功をしてますます爽やかになった。
今日はね、最後の滞在日。
ようやく地元になれて、多くの人々と知り合いになったのにね。
馴染みの店にバンミーを買に行ったら、お姉ちゃんがこっそりささやいた。
「あの人には近寄らない方がいいわよ」
もちろんベトナム語だけれど、「そうか」と素直にうなずいた。
いつも、大声で人々に話しかけているおじさん。寂しいんだね。
バンミーをぶら下げて、道を戻って近くの静かな喫茶店に入った。
熱い豆乳を所望したが、コンデンスミルクが出てきたので
まあいいかと、ベトナムコーヒーにした。
もちろん苦い目のベトナム茶も付いている。
田舎だからか、コーヒーが40円だ。
バンミーが50円だから、ささやか百円朝食。
しかしとてもうまくて量も十分だ。
どこから聞きつけたのか、王さんがバイクで来て、
マルコの前に座る。
神奈川で二年働いていたという、綺麗な標準日本語の若者。
折り目正しい青年だ。日本では仕事があっても、ここにはないそうで、
毎日のんびりしているという。
王さんにホーチミンへの行き方を尋ねると、あれこれ調べて教えてくれた。
多目的道路 椅子などどこから沸いてくる? なんでもあり
昨晩は、綿菓子を子供達にくばった。
95歳のお婆ちゃんや、隣の家のご老人にも渡して握手した。
いつもチョロチョロしている、ガリガリの自転車少年少女もやってきたので
メモをみせて、さよならをした。
裸足で粗末な身なりでも人懐っこい可愛い子供達。
夕方小雨降る中、いつもの食堂で早い目のご飯を食べる。
雨の食堂
食堂のおばさん達は「またおいでよ」と目でいってくれた。
鶏+豚+卵の豪華定食
腹一杯でバスに乗り込み、クチンで乗り換えてホーチミンに着いたのは暗くなった8時だった。
バスの終点が、なんとホテルの目と鼻の先。
疲れは貯めぬよう、早々に眠りについた。