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千 年 の み ち

“渡り鳥” が描く今と未来               たちばなマルコ

渡り鳥がゆく

 渡り鳥がゆく < 特別扱い :ベトナム >   

 

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             特別お気に入り 水


「貴女だけに、特別・・・」
これは、殺し文句の一つである

貴女だけを愛してる
貴女だけ、今だけ、残り一つだけ

思い込みをつくり上げられた後
裏切られたときは惨めである

『特別扱いを期待してはなりませぬ』

と戒めが昔からある。

「自分だけは、合格」
「自分だけ、大きいのを」
「自分だけは、よい席を」
「私だけは災難なしを」
「私だけは長寿を」 と願う ワシガワシガ世界。

欲ばり満瑠壺も例外ではない



出国の時、荷物チェックでベトナムのダラットワイン
Vang Dalatを取り上げられそうになった。

 

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           葡萄と桑の実のワイン


日本でも満瑠壺は、検査官とは犬猿の仲。
凛々しい制服の賢そうなエリート検査官がのたまう

「液体はまかりならぬ」
「え、ワインでっせ?」
「持ち込めないから、チキンチキン」
「え、鶏?なに?」   「チキン」と後ろを指さす
「鶏の照りやきとで宴会にでも飲む?」といぶかったが違った

「汝、持ち出したかったら、チェックインカンターへ行け」との
短縮命令形だった。

若い頃の満瑠壺なら、激怒爆弾ものだったが
近頃は違う、関西便で言う

「あんねぇ、これ、見たら分かるやろ、
 包装して飾ってる、シンガポールの人への・み・や・げ」
「みゃげ?」
「そー、あんたなぁ、取り上げたら自分でのむんやろ」
「No!」
「いやそうや、ダラットワイン好きやと顔に書いとる」
「Oh,No!!」
「とりあげたら、バチあたるでぇ」

若いハンサムな係官は、声を秘めて、“今度からちゃんと
荷物預けなさい” と言ってラッピングをはがす手を止めて
古いリュックに戻した。

山手線の8時列車のように詰め込んだ
リュックの中身は辺りに散乱

「さっきゆうたやろ、元通りにしてや!」
 と追い打ちをかける。

なんと、若エリートは元に戻し始めた。
それも手当たりしだいに放り込む

「アアア、ええわぁ、自分でする」
彼がウワテだった

しこたま時間をかけて、ぱんぱんに膨れたリュックを背負った。
若エリートと握手をして別れた。


別に、特別扱いをせよと期待したわけではない。

今回の旅であらゆる所で人々の恩恵に浴していて
まことに頭の下がる想い一杯である。