ミュージカルを愉しんだ。
『シッダルタ太子』
フィリピンの大学の歌劇である。
なんと英語と日本語、中国語の解説が
大スクリーンに瞬時に表示される。
曲も歌詞も洗練されて美しく、俳優もよい声で歌っている。
印象に残ったのは
☆
予言に怒り悲しむ父親の王が
「断じて出家させぬ」と息巻く横で、
母の摩耶(まーや)が幼子に語りかける。
「私は弓、吾が子は矢。
放たれた矢は弓の思う通りにはならぬもの、
この子の人生は私のものではない、吾が子のもの」
ディアナとキューピッド
☆
Enlightment(目覚める)したシッダルタは謳う。
「これをごらん、琴は弦が緩すぎると音が狂い、
きつすぎると切れて音が出ない。
人生も同じ、中道を歩みなさい」
信仰の裏にあるものは、
麗しいイメージを醸す芸術なのである。
そしてやさしく呟く
あなたの中に私がいる
わたしのなかにあなたがいる
私たちは一つで仲間である
これは広くアジアの知恵である。