千 年 の み ち

“渡り鳥” が描く今と未来               たちばなマルコ

独り行くべし


父の墓参りをした

おなごを涙させた光源氏が山荘あと
京都嵯峨野清涼寺

さる筋から、ご住職への取り次ぎを頼まれたこともあり
庫裡で恭しく「たのもう」と若い僧に呼びかけた

この青年僧、目の輝き慈愛に満ち、肌の色つや光を放ち
物腰あくまで柔らかい品格があった。

頼んで後、バケツ&杓に亀の子をもって、父の墓へ歩む。
陽は背を温め、弁天池の滝音心に響き、泳ぐ鯉背と
はらりと落ちる繊細な紅葉は目を閑ませる

歩み進むにつれ、さらり心ぬぐわれて
別天境地

墓石も玉砂利も、井戸みずのあったかさに清められ
母手作りの菊は彩り添え、クリームあんパンお供えは
そこはかとなく頬を緩ませる。

     

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父親交ありし塚本善隆上人の墓に合掌、
寺を支える旦那檀家住友家の墓に深礼す。

目に空の青を、爽やかな風を体にしみ込ませては
帰岐路辿る。

築山、山水をしばし愛で 満瑠壺-------思いいたる


独り行くべし墓参り
揃い行くべし祝い席

 

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         境内
    http://www.kyotosanpo.com/special-see/