そんなこんなで、今回の米国出張には
母との約束を少しでも果たすのがありま
してん。
かって、「母を楽園ハワイ堪能」企画をしたんです。
なぜなら、ハワイだけは行ってなかったからですわ
母「お父さんがねぇ、“あんなとこ!”ってバカにして
連れってってくれないんよ」
で、景気のいいときだったから
*00万円程でジェット機チャーターして
お気に入りのハレクラニホテルで
のんびりと過ごしてもらおうとしてたんです。
パスポートも取得したんでっせ、兄の協力で。
ふらつきこけ名人の母なんで、
おぶる練習や、こっちがこけん為の
バランス運動もしましたなぁ。
ところが、海外へ出張している間に
あれこれあって、兄弟が母を施設に入れてしょもた。
施設はね、天国だけど、何もできんようになる
温室監獄って皮肉れますわ。
で、今となっては招待できません、
景気も地に落ちましたし そやからね
今回ハレクラニホテルで食事だけでもとおもて、
母親がわりをつのりましてん。
宿舎で二度程声かけたけど、
代わりは嫌なんですなぁ
「いいわよ」の声はありません
そりゃそうやわ
じゃ、幻相手に食事・・・てわけで
五☆ホテルにのこのこ出かけましてん。
さすがにサービス最高のホテルやなぁ。
瀟洒ながらも簡素な佇まいを見せているんですわ。
職員はみんな親切でにこやか。
みすぼらしいマルコにも笑顔を向けてくれはる
感嘆のため息 マルコつきどおし
レストランは三つあって、その中で
ドレスコードがセミカジュアルのオーキッドという
手頃なレストランを選んで行きました。
向こう側が美しい海岸
「アフタヌーンティーを予約したいんやけど・・・」
下手な日本英語で言いました
にこやかに職員が応えて
「全て満席ですみませぬ。室内の席ならひょっとすると
空きがあります。当日いらしてください」
マルコはダイヤモンドヘッドと美しい海の景色が見える
窓側の席を希望していたのでがっかりです
「明日はどうでっか?明後日も予約できますやろか」
「全て満席でございます Sir」
仕方なく今回は庭のそよ風吹く席で1時間ほどのんびりと過ごし
母が憩いの時を味わったつもりになって宿舎に帰ったんです。
ロビーでも寛げる
約束を果たせない悔いが漂ってたんですかいなぁ
宿舎のマッカリーハウスに戻って若者たちと雑談をしていたら
ある娘さんがこういうんです。
「マルちゃん、クリスマスカードお母さんに送るぅ?」
大きなクリスマス絵はがきにフラダンスのスタンプがポンと押された
葉書が差し出されたんですわ
なんと、無料でどこにでも送ってくれる粋な計らいを
娘さんが見つけて、マルコに譲ってくれたんです
その娘さんにはハレクラニに一緒してくれとは
ゆうてないはず?なのに小耳に挟んだんかいなぁ?
こんな思いやりしてくれたのですわ
ええ考えやわぁと一枚おしいただくと、
「明日出すから一緒に出してあげる」との
アフターサービス付やった。
その後、ある娘さんが近くの教会で
たくさんのクリスマスのステッキキャンディーをもらってきた。
それを見た先程の娘さんが一本のキャンデーを持って
部屋に消え、しばらくして言うのですわ
「マルちゃんこれお母さんまにね」
見るとカードとキャンディーが入った封筒でしてん
色んな人々の思いやりが巡ってきすぎで
ありがたいなぁって心に染みました
長生きしてよかったってゆうけど
こんなことなんやろなぁ
こけたりしてアザだらけの母
喜こんで涙ぐむやろなぁ
異国の若もの達が新鮮な
「父・母の心」くれたんやもんねぇ
“Mele Kalikimaka”=“Merry Christmas”