ご近所さんが
「わしらの子供んころは
よう桑の実を食べとった」
と懐かし顔でおおせだ。
マルコが早朝体操していると
横の桑の実が日々緑から白に変わり、
それが黒々輝くベリーになるのを発見したのだ。
持ち主の爺様と話して
「いいよ、勝手に庭に入って桑の実をお取りまっし」
急遽仕事をばりばり終えて
昼寝で体調を整え、農作業の出で立ちで
脚立と鍋と袋をもって
庭に入った。
丁度、初物が穫れ、これから数週間が旬。
ていねいにもいでいると
「こんにちわ」と下から声がかかる。
小さな子供連れの女の人がたたずんでいる
「あ、どうも、どうも」と挨拶し
一緒に穫る。
男の子は木によじ登って得意げに穫るが、
妹は下で小さな手で差し出される桑の実を
もみじ手で受け取って口に運ぶ。
「まるで、お猿さんね、そら、右上にあるわよ」
というお母さんは、爺様の娘さんだった。
四人で広い庭で騒いでいると、
道行く人まで「ほれはながやけ?」と
くろい実を不思議がる。
真っ黒な完熟桑 華麗な深紅になる
「どうぞどうぞ」と手渡すと
皆、自然な甘さでおいしい!と喜ばれる。
三人は40分程、桑狩りをして「ありがとう!」と
緑の中に消えた。あれ?、こっちがいうべきなのに
マルコは蚊に奉仕しつつ、せっせと実を収穫。
あすは、マルベリーMulberryジャムと、シロップを作り、
時間があれば、マルベリーワインもとよくばる。
初めてで、どうなることやら
そうそう、ついでに野蕗も収穫した
蕗味噌にかわる。
できあがりはこれ
桑の実ジャム 桑シロップ 桑生実砂糖漬け