千 年 の み ち

“渡り鳥” が描く今と未来               たちばなマルコ

絶壁から落ちるとき -2/3 落下体験  長文

 

スペイン帝国・オランダ帝国・大英帝国の時代から
ゆたかに蓄えられた“富”は、
“マーケット”という増殖培養容器を好む。

 

数字の賭博へと変遷してきた、超高度金融技術マーケットは
欲ばり動物を絶壁からしょっちゅうつき落とす。

 

マルコが体験した近ごろの失敗談・墜落談をながなが綴る。
言葉がわからなければとばして欲しい。

 

  ∞

投資の年はもなく、経済のこともわからず知らず、
二十五歳の時大もうけした。


「これで30才までに自立できるな」と悦に入ったとたん
絶壁から落ちてしまった。

    これがことの始まりだった。
    数え切れない失敗と落胆のなかから
     鮮度あるのを語りましょう。

 

★白金ロール

阪神震災で避難していた垂水で気づいたのが
“白金ロール”だった。これはよかった。

 

白金に関心を持った訳は、日本のエネルギー自立が
燃料電池(発電池)に託せると考えたからだ。
これの電極に白金が使われる。

 

何しろその時は、白金先物の期近と期先の差が
2-3割もある逆鞘(バックワーデーション)の時代だった。

 

白金を500g買う。そして期近を売ってすぐに期先を買う。
これで確定利益となる。十ヶ月少しで2-3割の確定利益。


期近の現渡しで現金を手にしたら、又500g買って
二ヶ月後の次限月を同様に手がける。
しばらくしてから、買建てを現受けに切り換える。
だれでもできる単純な繰り返しだ。

 

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                 値動き

それをロータス123で計算すると確定利回り年400%だった。
勝手がわからず細かな失敗をしても、年200%位には回った。
震災マル貧でもできた。先物はレバレッジをかけられるからだ。

 

2004年-5年頃から波に乗って、2008年上期には
毎週何千万という評価益が出ていた。気味がわるくなり
「こんな事あるのかいな」と腹をつねったりしてみたりした。

 

お察しのように、2008年暴落絶壁から転げ落ち
何億という含み益は全部シャボン玉と消えた。

マルコは目をパチクリさせた。

 

   

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          きょとん

 

原因は、まずはレバレジが高かったこと。
それにもまして確定利回りに飽き足らず、
単なる先物買いも膨らませたからだった。
転げ落ちて残ったのはわずかな白金のコインだった。

 

調子に乗ってはいけない。
オーバートレードはいつかは破綻する。

 

   ∞

さて数年後、気を取り直し、40年ぶりに
企業を応援するという気で株を持った。

 

バフェット的にわかる分野を決め
   医療精密化学
   農業関連
   水素社会関連(燃料発電)にした。

 その中での失敗を取りあげる

 

日本海掘削 code1606

水素社会関連銘柄として日本海掘削を追っていた。
この会社は“メタンハイドロイド”を海底から取り出すのに成功し、
五十年・百年の祖国のエネルギー自立に役立つ会社だろう
と思ったのだ。

マルコの悪い癖、エネルギーにまつわる夢(幻影)を描いたのだ。

 

今年初めに仕手株づいて2000円から3500円に
あっという間にあげ、再び元の値に戻った。

 

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          一月暴騰後いってこい 三尊だ!!

そこでゆっくりと買った。

現物200株と信用取引で2000株の夢買だ。

その後は業績低迷が報じられ、じわりと下げ続けた。

1800円からトントンと軽やかに1300まで暴落して
嫌な雰囲気を感じる。
信用分2000株を損切し、約100万円を実現損にした。

 

現物200は、バフェット方式で20年もつよと腰を据えていた。
そして金沢へ住まいを移して変化(ヘンゲ)したマルコは、売をかけた!

 

昔の業界では、「信用売りは御法度」
上は無限、下はゼロまでだからという理由だからだった。
この縛りをマルコは破った!

 

日本海掘削は注意銘柄となっており、現金担保も必要だ。
1000株売ったから現物の200株のヘッジ(保険つなぎ)は十分できている。

さらに売りをかけようとしたけれど、新規の信用売りが
禁止となってしまった。

 

 

 

さてこれからだった。ここからは棚ぼた功名。

数日すると、なんとまぁ!---
会社更生法の適用申請で受理された。

 

過去の倒産劇を調べた。
若いとき数多く倒産企業を体験したから
その記憶と最近の倒産後の推移も調べる。

案の定、翌週月曜から断崖絶壁を落下するようだった。

 

前週末1300程の株価が月曜日ストップ安の900円台となり、
その日の売残りが380万株も出た。
発行済株数 1800万株
浮動株数  370万株   なのにね。
売ろうにも買い手がほとんどないのである。

マルコも現物200株を売りに出していたけれど、
当然約定しない。

 

その月曜日夕刻、東証が値幅制限解除を発表する。
基準値段 500円
値幅上限値 600円
値幅下限値 1円 (つまり1円~600円の間で)
と過激な暴落を誘う措置。流動性を優先したのである!

 

翌日の26日火曜日は現物や信用買いをしていた人には
ひどい一日だったろうとお察しする。

 

さて、約定させるために訊ねると、
8時までに成行で発注したのが第一優先なので
現物200株売り+信用買戻し200はそのように出した。

結局成行で79円で成立した。前日は900円台が・・・

 

のち、気楽に欲を出さず信用売り800株を手仕舞った。
71円だった。6月26日、逆日歩が30円も!!ついた。

これは浮かれていた売方には大きな負担。買方は一息。
なぜなら火曜日の逆日歩は土日分も支払うので合計90円となる。

 

 

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  2018年1月3560円の高値をつけ安値23円、終値24円で東証から消えた

 

計算してみると、現物株と信用買の損金は
たった1000株の信用売益金でうめて
新入社員の手取ほど益になったのだ。


夢だけで企業を応援してはならない。
だが、新たな境地がわかった。

 

つまり、暴落が動物勘で予測できるときは
売仕掛けを果敢にすることである。

私たち日本人は買売が習慣であり
売買にはとても抵抗を持っている。


マルコは決心している。
1.買売だけではなく、売買もおそれず慣れる
2.売買する時節を決め、実行ルールを決める
3.短期(短気)向きなので、平常生活を乱さぬこれぞという時だけにする
4.売ができるものを探し、常々研究して慣れる

おまけ
2008年の激烈落下体験

・マーケットが下げると報道記事で定型文言がある。
「利益確定売が出た・・」
これは実体験のない記者の気づかぬ嘘である。

売の影には買がある。彼らは果たして損確定買なのか?
そんな決めつけがあるはずはない

 

ならしてみると、利益確定と損確定が混ざっている。
中には損確定ばかりでため息をつきぼやくお人もあろう。


2008-2009年の時のようなパニックでは、全てのものが下げた。
普段ならモグラたたきのようにかたや上げたりかたや下げたりする。
業界の常識として聞いていたのが、
貴金属は“最後の避難所として保険的に買われる”と。

 

ところがまるきり間違いで、貴金属も暴落した。
理屈通りにゆかないのは、信用取引やら証拠金取引
高レバレッジをかける投資家などが多いから、担保の株が下がれば
追証がかかって強制処分され、他の資産を売らざるを得ず、
ドミノ倒しのように下げるのだ。

  

詳しくいわないけれど、マルコの手持ちFx、Cx、各種デリバティブは
あきれるほど全部暴落した。

 

記録をふりかえり見て、将来に活かそうとルールに結びつける。

 

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       落ちるのも潔く

 

バフェットは、若いときに米建国の父の一人、

ベンジャミン・フランクリンを見習った。


フランクリンは十三の徳目にまとめ、毎週一徳目の一つに捧げて、

年に4度回して自己を磨き高めていった。


それぞれの徳目は拍子抜けする程単純だけれど、実行が難しい。
又別の機会にブログする

この手法で、よからざる習慣行動を克服していった。

 

何事も単純がいいのだが 

マルコが若いときから目指す潜在能力開発の路はまだ遠い・・・