千 年 の み ち

“渡り鳥” が描く今と未来               たちばなマルコ

干し柿と爺さま語り部 :金沢


隣の大家さん爺様に干し柿を持って行った。
小さな小さな5個で、白い粉を吹いている。

 

ちょっと背を曲げながら 出てきたじい様がゆう

 

J「前に頂いたはっさく、酸味だけじゃのうて
  甘さもたくさんあって美味しかったよ」
マルコ「そりゃよかった
   今日はじい様の竹林にあったちっちゃな渋柿を吊るして
   干し柿になったんで持ってきましたよ」

 

目を細めたじいさま
J「あれは渋柿やのうて甘柿じゃ。植えた時は渋柿やと
  思っとったが、元々は娘の活け花材料にする小さな柿のはずや。
  ところが結構大きく実って、赤く熟れるまでおいといたら、
  子供が食べて甘い甘いと言よった。
  若いうちは渋柿で熟れたら甘柿になる」

 

 

じい様は竹林の周りに、杏の木・ブルーベリー・
くわの実・ナツメ、そしてキウイなど植えた話を
楽しげに語ってくれる。

 

桑の木、ギンナン、キーウイは雄株と雌株があるそうな。

 

この爺様、マルコの父より八つほど年下で、
いつもニコニコされ、まゆ毛がマルコの二倍ある。
若い時は地域の重鎮として頑張っていたようだ。

 

   

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       村山元総理

 

昨年の大雪で積もった雪を掻くのに
ツルハシを振るったのが老体にたたって、
腰がいとうなったそうで、太い柱に
寄りかかりつつ話が続く。


長坂用水の話、そして竹林の由来の話をじっくり聞かせて頂いた

 

古老はこうした昔の色んな感心するような由来とか、
歴史を語ってくれるから楽しい。


竹は足軽の岡本右太夫江戸屋敷近くの薩摩屋敷で
竹の子料理を食ってうまかったので、何度も失敗しながら
苗を運び、じいさま近くで定植させたそうだ。
それが石川全域と、福井の方まで広がったそうな。

 

また中に生活の知恵が輝いている。
たけばやしの手入れの仕方、例えば、上を切るなら
枝を八節おいとかねば竹の子が出ないとか、
ある竹から竹の子が出るのは三年五年七年だとかだ。

 


今思えば残念におもう------
父からもっと智恵を聞きだしておきたかった。
マルコが惜しい最大の“もったいない”ことである。

 

幸い、書籍に片鱗はうかがい知れる

 

でもね、年をとるからこそ分かる
人生を味わい深くする智恵は、
身ぢかに感じ取って学ぶという薫陶が最上だが
今はかなわない。

 

  格好と行動だけでも真似してみようか。

 

 

ところで爺さま、種ぎょうさんの干し柿食って
歯を折らんよう祈っとこう。

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      写真撮影忘れた これより赤くて小さい