千 年 の み ち

“渡り鳥” が描く今と未来               たちばなマルコ

泥棒も兄妹

 

 

近ごろ、若い異国の人が訪れきて、
「やぁ、マルコ兄弟!」って握手してくれる。
立派な体格のブラジル系米人と顔色よい米国人青年達で
まことににこやかだ。


話は昔に飛んで、地震で神戸の垂水で避難暮らししていた頃
            聴いた話----

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竹林と落葉の樹々に囲まれた家ですんで物騒でしょ・・・・。

ある日の夕方、隣の部屋で物音がするんです。
主人かなと思ったんですが、2階で仕事をしているはず?

そっとその部屋をのぞくと若い男が手に靴をぶら下げて
物色していたんですよ !


男に向かって
 「今二階に主人がいて、あんた見つかったら大変
  こっそりこちらから逃げなさいな」
と言いました。

男はなんだかバツが悪そうな顔をして手にした靴を履いて
逃げていったんです。


そして、鈴木大拙館でみつけたある話し---


秋になって柿がそれは見事に実ります。
いつの時代でも甘い柿は鳥だけが狙うのではありません。

 

少し暗くなって柿の木に梯子をかけてそろりと盗んでいる男がおりました。
これで充分!と背中の籠の重さに満足して降りようとした時でした。

 

「あんた、危ないから気をつけなさいや」と
下から声がするじゃないですか。

驚いて下を見るとその柿の持ち主の爺様がハシゴを支えてくれている。
男は背中の重みとで冷や汗をかきながら降りるやスタコラサッサ。

 

それからというもの,誰からも柿をくすね取られることはなかったそうな。
                    因幡の源左

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小さな道徳枠で生きてると、悪だ罪だと大騒ぎする。
ときによけいもめ事を引き起こし、絆糸がもつれにもつれる。

 

道徳枠や損得枠から脱出できた天地とともに生きる人々は
神さんとともに乾杯してこの世を楽しめる。

 

その合い言葉はね、どうやら

   やぁ、兄妹!