ラブレターをもろとことのないマルコ
の処に、子らがやってきた。
鼻歌まじりで明朝ゴミ出しする
草を刈っていたときだ。
「なにしてるの?」
「♪、草~ぬーきぃ♪」
入っていいかと聞くから、うなずいた。
軽快な足音がして、五人庭になだれ込んできた。
「あ、あれチューリップや!」
「これなんやろ?」 「ん、ねぎ坊主」
「この木何のき?」 「それ、桃の木やねん、うまいでぇ」
「あ茄子がなってる!」「ハハそりゃツタンカーメンの豆」
「ツタンカーメン?」「?」「?」
ツタンカーメンのエンドウは、鞘が黒くて段々薄くなる。
苺が一つ色付き始めているのを、マジマジ見ている。
「これしってる!アスパラガス!」得意げな声。
ひとしきり庭を駆け巡って
さいならぁ!と手を振って帰って行った。
母が好きな花々が、五人の子らに見てもらい
なにやら嬉しげに見えた。
しばらく草を引っ張っていると、目にゴミが入った。
片目をつむりながら仕事をしていると、
女の子が入ってきて、「これ・・」と紙を渡してくれた。
これは本式
http://dictionary.goo.ne.jp/jn/71389/meaning/m0u/
花柄ノートの切れ端に書かれた付け文には
「なすのあかちゃんみせてくれて、ありがと」