うつくしき川は流れたり
そのほとりに我は住みぬ
春は春、なつはなつの
花つける堤に座りて
こまやけき本のなさけと愛とを知りぬ
いまもその川ながれ
美しき微風ととも
蒼き波たたへたり
犀川から西を臨む
∞
かそけき音をたてて
恵みの水を満々と流す犀川(サイガワ)。
マルコ住まいから、十分ばかり北へ歩いたところ。
緑のじゅうたんのような河川敷は
この地の器量深さのようにどこまでも広く
東に白山の霊峰から、まことにまことに
霊水が数知れぬ恵みを運んでくれる
人々は散策やランニングを楽しみ、
酒を片手に景色を眺め、バーベキュウに興じ、
恋人達が敷布の上で昼餉を楽しんでいる。
これ犀星を幼きときより身を育んだ
こまやけき本のなさけと愛、
詩人の満たされた魂が伝わってくる
人それぞれふるさとがある。
そして
“ふるさとは遠きにありて思ふもの”
犀川 コスモスロード