雪見しながらお茶をいれる
ふと、急須の移ろいに気づいた。
器用な友人がマルコ用にくれた手造りの焼き物だ。
Y「きみはひとりもんやから、これがええわ」
マ 「なんと安定感のあるかわいい急須!」
Y「これはな、お客さんが来たとき用」
マ 「なんと握り具合のいい急須!」
それ以来というものずっと愛用している。
金沢でのほっとする静謐どきを演出してくれる。
元々上薬に細かいヒビを入れている急須で、
ほんのりうす墨もようの景色だった。
初めからの景色
その片方の面がなんと翡翠色がかってきて
えもいえぬ色柄に変化してきてる。
頸には婆様ゆずりの帯留め翡翠をぶら下げ
一息時に翡翠を思わせる茶器でお茶をいただく。
なじんだものが身近にいることの安寧感
これこそ古きとはいえ、年数を共にする喜びである。
片面の 翡翠
金沢へ持ち込んだ古びたものに、
馴染みの親しみが溢れている。
これは来客急須で、こし穴の細かさが心憎い