千 年 の み ち

“渡り鳥” が描く今と未来               たちばなマルコ

飲む打つ買うを超えて :金沢


       ☆
  天は使命を持たせた人々に

   過酷な人生を歩ませる。

       ☆

 

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        最後の審判への道

 

金沢に住まいを移して、不思議なであいが
あちこちで産まれる。

 

その中の一人Hさんの自宅に伺い、赤ワインで乾杯した。

広島大学を卒業後、国内外の医学研究機関で腕を磨き
ある植物の薬効成分が、がん細胞だけを殺して正常細胞には
悪影響をもたらさないことを発見・実証した。

 

それだけでも苦労したけれど、その後が過酷だった。

特許を取得したが、ある業者の騙しにあって横取りされた。
その会社は笑いがとまらぬ儲けだ。

 

ある医学部での実証成果を他の教授に取られてしまった。
その医師は有名になって実入りがよいのか、キリスト教に入信して
いながら女を囲った。

 

多くの飲むうつかう人が、Hさんを利用して
いい目をしたが、本人は辛酸をなめた。


常陸宮殿下とは研究仲間だったそうだ。
H「常陸宮殿下はホントに気のあう研究者でした」
  と目を細める。


海外研究生活ではチェコがお気に入りで
カナダ・モントリオールも住み心地がよかったとか。

 

マルコも、研究者として海外赴任する人生もあったなぁ・・・

 


Hさんが奥さんと仲がよかったのは雰囲気ですぐに分かる。

H「金儲けして女かこう真似をするのは向いてないな」
  ときっぱいいいはなった。

M「そりゃ、家に心と気の通う奥さんが待ってるのが一番!」

  と二人は乾杯した。

 

夫婦の仲良し生活も長くは続かなかった。
奥さんが胃癌で苦しんでいるのを何とかしようと
奮闘してその薬を発見したとか。
けれど奥さんには間に合わず、悲しみにくれた。

 

家族や患者達がたくさんガンから助かった。

 

体を悪くしたHさんは近頃、的を絞って
自分が発見した薬で、ガンで苦しむ人々を助けることに
残りの時間を捧げるのだと、ワインの赤い液の向こうで
目を輝かせる。

 

りっぱだなぁ とマルコはその真心の使命感に
「Hさん乾杯!」と旗振りグラスを傾けた。


“いかなる難儀があろうと、その願い岩をも通されんことを!”

暁光あれと念じた気を贈った。

 

 

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  え??  あんた!飲んでるやんかぃ!って?
     こりゃキリストさんの心にかよう血だよ ウイ~

 

 

 

 

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          金沢も秋