千 年 の み ち

“渡り鳥” が描く今と未来               たちばなマルコ

きつね



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この山では朝5時には目が覚める。
朝日がたなびく雲の間から漏れ輝くと、
心の隅々まで照らしてくれる。

 

ある朝下の庭園の茂みに動くものがチラリと見えた。
視力が弱くなっているので凝らしてみると、
狼?たぬき?・・どうやらきつね君だった。

 

目を少し転じると他にも一匹いてこちらを見ている。
白い尻先をわずかに動かせ、マルコと目が合う。
可愛い生き物たちが朝飯を探している。

多分名誉とか褒め称えやお金地位などより
鼠一匹で事足りるのだろう。

 

この山の信者さんが「マルコ、この鳥キジだろか?」
と見せてくれた写真は山鳥に似た大きな鳥だった。
クジャクではないですね」と笑い合った。

夏の夕暮れは山門の上が薄い紫に染まり、
下からの涼風が柔らかく吹き上げてくる。

 


鳶も狐もねぐらに帰って丸くなって眠る。
マルコも10時半には眠る。

 

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八月でこんなに涼しいから、
秋深まると冷え込むだろう
互いのシッポをマフラーにして眠る姿
想わずニヤッとした。