久しぶりに金澤へ帰ってきた。
どこえいっとったんや?ときかれ、
アパートの人や子どもたちはおはようと挨拶してくれ
大拙館では懐かしげに迎えてくれる
久しぶりに早朝体操に出ると
カラスくんが三メートルのところまで寄ってきた。
「よう 顔みんかった」
「暑い中、黒くてごくろうはん」
「いやぁ まいる」
マルコ開墾のアパート菜園では雀たちが砂浴びしてる
蝉やクワガタがやってくる。
一株植えた青じその葉っぱが美しい色に光ってる。
闇夜に漂う前の小川のホタル火は消えた。
カッコウは山へ避暑して、セキレイが尾を振る
甥っ子が20年前にくれた青い朝顔も咲き出した。
老いの中、幼いときの夏、若かりし夏が現在につながって
一つ一つが平安の絵画に描きあげている