千 年 の み ち

“渡り鳥” が描く今と未来               たちばなマルコ

夏のシッカロール

      f:id:Mtatibana:20210806081206j:plain



トマトをもぐときの青臭い匂いが好きだ
地面から立ち上るむせるような匂いが好きだ
打ち水をしたり夕立のあとの爽やかな匂いが好きだ

 

こんな年で毎年あせもができる

 

冷房は嫌いだし金がないので、まずつけることはない
だから室温が31°以上になるとあせもになる

 

不思議なことに上腕というのか、この掌に近い
うちっ側にプツリぷつりと現れる

「夏だよ!あつい 扇風機の出番だよ 
 冷たいもん食べ過ぎんように」といっている。

 

そうしたら重い腰を上げて、シッカロールを取り出す。
Pon Ponと打ち粉する。

 

その時の匂いがすると、幼いおさない赤ん坊の時、
父上が打ち粉してくれている情景が浮かぶ。


横で寝ている兄を指しつつ「“アキオ汗かいてる”とゆうてたよと
母上が抑揚をつけた真似をして喜んでいた。

 

郷愁とまではいかぬが、夏の暑さに潜む匂いはいまなお新鮮だ