たくましい若者が夜中に
ガーグヮァーいびきをかいていた。
こういうときは耳栓をするか、ベッドを揺すると止まる。
迷惑な!と感じる人も多いだろう。
迷惑とはどうしてよいか迷い惑うこと。
昔はさほどでもなかったが、近頃ジジイに限って口にする。
終活を念頭に「迷惑かけんようにな」と片付けを始めたり、
「人に迷惑かけたらいかんで」と孫に分別くさくいうのが口癖になる。
そもそも迷惑というものほど主観的で身勝手なもんだ。
子供は迷惑だらけだが、親はそれを喜びにする。
よそ犬吠えれば迷惑千万 尾振るペットはういやつよ
無私の愛を受けて育ち、年老いた親のボケは迷惑と忌み嫌う
ヒマラヤの麓にある小さな国に降り立った時、友人は
「オイ!、なんかホッとするな」と一声
その國では「人は元々迷惑なんだよ、お互いさん」と
笑いかけている。
正にそのとおり、額にしわを寄せて迷惑を唱える
許容の心干からびた年寄りそのものが
一等迷惑である マルコも年寄り、ゴメン
明治までは父も母も結構「世間の役に立て」とか
「世のため人のため」と子供に言った。
「迷惑いかん」という呪文を植えつけるなら、
子供はよく分からんので何もせんことを選ぶ
そもそも、天地(自然)の摂理に沿っていれば迷い惑いは
年とる修行で消え失せるはずだが
そのように親からいわれたこともないマルコは
今んとこ、父上からの戒名“養真”で気楽に過ごせている
みざる・きかざる・おもわざる