母上の自宅は荒れ放題
見向きもされない物を持ち帰った。
貨幣価値がないものには心がたんと宿っている。
真っ黒にくすんだ神棚
育った夙川の家で、一家を見守ってくれた神さん。
ひょっとしたら、その前の堺からかもしれない。
近所の友人が手伝ってくれて、磨き上げた。
湯上り気分 ♬
ガタつく観音開きの観音さん
あちこち剥げているが、祖父の心がこもっている
後ろにいわれが金字で書かれて、祖父の署名がある。
これを一年かけて磨き上げよう
金などそのうち価値を失うけれど、
このような温かな心と、大いなるものは
永遠で別の世にも持ってゆける