千 年 の み ち

“渡り鳥” が描く今と未来               たちばなマルコ

小さなものから


風呂場で野菜を洗おうとしたら
小さい虫が動いた
翅もそろわない若いゴキブリだ

 

外に出そうと追う
すぐに感じとって逃げ惑う
バスタブに転げ落ち
ひっくり返って足をばたつかせる

 

じっと見ていると
手足が宙を蹴る
小さな体がコマ回り
よくある末期を思ってしまう

 

ところがむなしいばたつき
少しずつ水栓へと向かわせている
しばらくおいて見にいった
いない

 

なんだかほっとした

     

             わしもひっくり返る