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千 年 の み ち

“渡り鳥” が描く今と未来               たちばなマルコ

来る道、行く道 渡り鳥がゆく

来る道、行く道 < ⑳ 好意の法衣に包まれて:ベトナム Tay Ninh カオダイ調査 >


--- 辛いことは、さながら、
   ひとつまみの塩のごとくして
    私どもの行く末を甘くするのであります ---




トウックさんとの固い握手で、
この調査も終えたかに思えた。

午前の暑くないうちに、地元の市場に行った。
チマキひとつ、半生菓子、バナナを三本買った、
おばちゃんも若者も、その少なさに笑っていた。

夕方早い目に、ベトナム鍋料理Lauラウを初めて食べた。ふっくら屋だ。

 

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       ベトナム鍋 ラウ     フーフーハーハー

 

味付けがまことによくて、量も丁度よい。
熱かったが体にはいい。

部屋で涼んでいると、六時になっていた。
はて、カオダイ礼拝、どうするかな?と迷ったが、
チャンスは今後少ないので最後の参加と意を決した。

外で、蚊対策の薬をぬって、聖堂に入ると、
風紀委員がここへ座れ、こっちへ来いと
いつものように指導してくれる。

五分ほど礼拝に参加していたところ、
風紀委員が肩をつついた。
「こっちへ来なされや」

ついて行くと入り口のホールに三人の風紀委員がいた。
珍しくニコニコして、「これを着ろ」と買い物袋を差しだす。

くしゃくしゃの買い物袋には
信徒の制服が入っていたのだった。

「これ来ていいの???」と驚きを隠さず
言葉とジェスチャーでいうと、
「そうさ、さ、着た着た」と
三人が着せ替え人形のように着せてくれる。

黒い帽子だけは小さめだったので、
背の低い風紀委員が、グイグイ引っ張って
頭に被せてくれた。

残りの三着は、生徒時代の体育ズボンのようなもの、
二つポッケの上着、その上に着る男用アオザイのような法衣、
いずれも純白だった。

満瑠壺着せ替え人形の仕上がり。
三人は満足げに眺めて、ぐるりと回転させ
「さ礼拝へお行き」と指し示してくれたのである。

礼拝はいつものごとく淡々と執り行われていたが、
この最後の礼拝は特別新鮮で、
胸の痛みも、蚊の攻撃も気にならなかった。

ゴーンと鐘が鳴り、これで礼拝も終わったなと感慨深く
風紀委員達一人一人と握手して、礼服を脱ぎ始めた。

すると、風紀委員が差し止めて、
首を横に振っていう。
「それを着て、お帰えんなされ」・・・

帰りの道すがら、果物店の若衆は
「おや、マルコ似合うね」といいつつ
1個10円のアボガドを売ってくれた

ホテルの受付はカギを渡しつつ
写真を撮ってくれた

この衣裳は満瑠壺にぴったり、
私のために誂えてくれたのだ

思いがけない贈り物に、信徒達の
ねぎらいと温かな配慮がおしよせ
心がじーんとしびれっぱなしであった

 

    

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         調査の修了証書

 

 

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