渡り鳥がゆく < みんな家族さ 6/19 :マレーシア ジョホールバル >
アジアの先端を走るシンガポールを目指して
渡り鳥満瑠壺は飛んだ。
直接行くと高いので、マレーシアのジョホール/バル(Johore Bahru)
Senai International Airportにバタバタ飛んで、
そこで一泊してから陸路でシンガポール入りすると早い。
二時間で51ドル
空路だけで、乗り継ぎで行く便もあるけど時間がかかる。
六時間ほどで。263ドル
探せばきっと別便もあるかもしれない
スナイ国際空港は、こじんまりした空港だった。
入国窓口は結構長い列ができているので、別の場所で座って待っていたのだが、
列はいっこうに短くならない。
ベトナムにはまずいない腹の出た恰幅ある空港職員にきいた。
「時間かかるなぁ」
「なにしろ、指紋を採るのに時間がかかるんだ」
「え、KLではすいすいすんだけどな、MM2Hビザあるのにな」
「そうか、日本人? こっちへ来い」
かれは別室へ連れて行ってくれた。胸に勲章をつけたような
いかめしい服装の係官がにこやかに「マレーシアへようこそ」と
手続きを初めてくれた。
あれこれ日本のことを聞かれ、のんびりと手続きしてくれる。
なるほど、指紋を採るのに時間がかかった。
機械が古いのか通信がのろいのかそうなってしまう。
終えて、「又来いや」と職員達が見送ってくれた。
列はいっこうに短くなっていなかった。
予約したホテルには三通りでゆける。
直行のバスを待ったが、予想時間には来ない。
若い空港職員は「運転手は疲れているから」と当然という風。
それなんじゃぃ ? ?
仕方ないから、到着して客を降ろしたタクシーと交渉した。
「35リンギ(マレーシア通貨RM)で行ってくれる?」 「Ok」
運転手は今朝会った、Myサンとそっくり。縁起がいい。
ほとんど迷わずにホテルの前についた。メーターは37rmだけど
35リンギに負けてくれた。
空港でのタクシークーポンを買うと44rmで、
タクシー待ちも時間がかかっていたのにね。
ホテルでは愛想のいいサリムというおじさんが、あれこれ教えてくれる。
すぐ近くで夕食を取って帰るとサリムが呼びかけた。
「マルコ、一緒に食わんか」
もちろん加わるのだけど
「あれ、ラマダン(断食月)てさっき聞いたけど?」
「その時間は過ぎたからね、
ささ、これは家からそれぞれ持ってきたんだ」
職員達が持ってきた食事をみんな分け合って食べているのだ。
マルコは指で食うマナーを教わりつつ、
二回目の夕食をご馳走になって
腹を突き出しながら部屋に戻ることになった。
レストランより美味しかったな。
なんのためらいもなく、家族として分かち合う***
これこそがアジアの温かな智恵だ