千 年 の み ち

“渡り鳥” が描く今と未来               たちばなマルコ

恩返しから恩回しへ


昔から不思議に思っていた。

何かというと、ギブアンドテイクの煩わしさと
陥りがちの卑しさである。

 

     f:id:Mtatibana:20190325150635j:plain

           よろしゅう

 

会社にいた若い頃だった、ある上司が嬉しそうににたっと笑った。

「マルコよ、これ結婚祝いや、ええやろ
 倍返しやでぇ!」

金一封をくれたのはいいが、条件付で
二倍にして返せよというのだった。

「へイ すんません」とくちごもった。

まごころがどこかへ消えていた。

 

商業消費促進のため、お返しが昔から当然のようにされている。
もろたらすぐさまどの位返すかが頭に浮かぶらしい。

 

そこには贈った相手の心遣いをじっくり味わうまもなく
お返しを気にする煩わしさがでしゃばってくる。


賢人はいう

“よきをなしたことを忘れ、よきを得たことを忘れなさい”

まさにそのとおり。

       f:id:Mtatibana:20190325150805j:plain

             わにどり

 

金沢はその辺、素朴ないし質実剛健で気楽だ。

 

ギブアンドテイクはともすると、見返りへの欲が主になりがちだし、
それは二者間の緊張関係としてのキャッチボールでおわる。

 

それよりもなによりも、なによりも
なしたことを前面に出さず

恩回しする方が、ズーッと大きな実りが先に待っている。
気づかぬほどおおらかに充ちて

 

 

    

     f:id:Mtatibana:20190325150901j:plain

             わに蝶
          https://twitter.com/Ryuugoku

       

          蝶無心にして舞くる

                                                  ・・・・・

                      天則に従う