来る道、行く道 < 二口目のアップルは? >
ここらがうまい
金沢のゲストハウスでのこと、
スタッフが一生懸命にエジプトの若者に説明していました。
後で聞くと、鈴木大拙館を訪問するために訪日した若者だそうです。
ずっと、大拙館で過ごしていると、結構多くの外人が熱心にメモしていました。
大拙はいったそうです
「西洋にゆくと思いもよらん質問がどんどん出てくるからいい」
米国の優秀な弁護士を育てる大学で、講演をした時のことでした。
西洋の宗教を解説した後、質問時間となり、学生がさっと立ち上がりました。
「分別或いは思考という“リンゴ”を食べて、
楽園のエデンの園から追い出されました。
もう一度、エデンの園に帰られるでしょうか」
すると大拙老師は間一髪も入れず、答えました。
「 Yes! もう一度リンゴをかじりなさい Has another bite. 」
会場はオ!!!っと、大きなどよめきに包まれたそうです。
最後の審判を信じる西洋人には奇跡なのです。
こうした、啐啄同時的なやりとりは、まさに武士の禅から来るものであり
西洋の人には新鮮でいつまでも心深くに残ることでしょう。
もうひとかじりすることが悩み苦しむ先の手法、
満瑠壺もかじります。