マルコは “はもの” を持っている。
母ゆずりである。
母は今なお全部自分の歯で、どんな堅い煎餅でもへっちゃらだ。
お陰でマルコは梅干しの種をかみ砕ける。
平和温室日本では、幼児用かと紛うほどのケーキだ。
軽すぎて空気を買うようやおまへんか?
だから!
「手作りの堅~ぃパウンドケーキを食いたい」・・・
三十年来の夢が叶いましてん。
前の記事に記したように、超安値になってる小麦粉が
㎏100円位で数キロ買われて棚奥に積んでいる。
そしてその横に、こないだ手に入れた大量のレーズンと、ナッツが
たんまり控えてる。
太地の実りをふんだんにこねたパウンドケーキを、生まれて初めて焼いた。
甘さと油分控えめの800gの円盤ケーキ。
深いフライパンでゆっくりとこんがり焼いてのち、
普通のフライパンにヨッコラセとひっくり返して焦げ目をつける。
タヌキ色になり過ぎたけど、出来は合格、よろしおます。
父も大好き堅実ケーキ。供えた仏壇でひときわ嬉しそうに笑ってる。
しばらくは、顎も体も喜ぶケーキを賞味する錦秋だ。
座布団ケーキです・おこしやす
これでケーキ登竜門をくぐったつもり。
つぎの重厚な門はね、クリスマスのシュトーレン!
ドイツで1㎏のシュトーレンを食ったことがある。
好きなマルチパン(*1)もたっぷり入っていて、身も心も目玉もため息が出た。
向こうはパンだって巨大で堅く、涙が出るほど味わい深い。
これ 栄養と味100点
今回のにあれやこれや加えて、時が経つほどに味わい深くなる
マルコ・シュトーレンをドシッとつくるからね。
*1 砂糖とアーモンドを挽いて練りあわせた、餡のような食感のある菓子
Marzipan
ドイツの北の町特産