千 年 の み ち

“渡り鳥” が描く今と未来               たちばなマルコ

無為無難


いつも野菜を交換する近所のご婦人に
オクラを届け、音楽会へと向かおうと、
急な坂道で向きを変え損なってこけた。


スクータの下敷きになってヒーヒーゆうた。

アァ~ぁとつぶやき、音楽会へ直行をやめて
自宅に戻って大きな絆創膏を貼った。

寛ぎの音楽会へと再度挑戦したのだが・・・


川西の駅前は浴衣姿の若者が道に溢れて
交通整理のガードマンが至る所におでましだ。

細々した指示を出し、事故が起きぬようピリピリしている。

会場へ行くと、誰もいない。いぶかしく思いつつも
受付の管理人に尋ねた。

「あれ?コンサートは」
「今日は花火大会で、催しありまへんねん」

懐から招待券を出して見ると、間違いだった
大阪のいずみホールだった。

ガードマンは気の毒がって目を細め
「花火も見なはってもええし、
 音楽会へ行きはるんもまたよろし」


これは、〔ゆくな〕ということ。
怪我し、人混みに揉まれ、三時間も無駄な汗を流しての結論。

自宅に戻って痛む肘をかばいながら夕食を食っていた。
たまたま、高校野球の番組を見ることとなった。

☆ 大阪桐蔭仙台育英の接戦九回裏。

一塁への送球アウト!と誰しも思い、
大阪桐蔭のナインが勝利歓喜が沸き立ちかけたとき
審判がセーフを出した。一塁手が塁を踏んでいなかった。

 

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          ありゃ!!!!!!

 


そして次の育英打者は大きなヒットを打って、二点奪取
逆転終了であった。

三秒の喜びの高みから、数分後に逆転負けへと急転落する
劇的変化を見た。大阪桐蔭のある選手は泣いていた。


天国と地獄が左右に展開する塀の上を
ふらふら歩いている現実がそこにある。

塀の上で動かにゃ、何も起きない。
努力の末でさえ、どっちかに転げますわな。
高校生達はどう受けとめたのだろう