千 年 の み ち

“渡り鳥” が描く今と未来               たちばなマルコ

 武家の町金澤は今

金澤生活も五年目に入っている。

 

ほとんどお人が「なんでまた金澤へ?」といぶかり
中には、非難じみた顔をする人もいた。
人々の納得するものなんてありえない

 

世界を飛ぶ渡り鳥マルコにとっては、
目から鼻の先へひとっ飛びだけどね。

 

友人の一人は「ええなぁ!」と感嘆の声を上げた。
彼は高校時代から金澤に惚れ込んで、奥様としょっちゅう
金澤と高級料亭を堪能していた。

彼の影響は大きいけれど、そもそも兄弟から疎まれたので
災いは遠のくが一番、なら金澤だとすぐに決まった。

 

父母にも縁があった北陸の城下町。それにね、
父上がヤングの時、救いの手を差し伸べてくれた
世界人・鈴木大拙の誕生地だからだ。

 

 

さて、鳥や虫が生き生きと暮らす手入れの行き届いた
竹林が特に気に入った今の住まいは素晴らしいのひとこと。
朝日で金色に輝く直き竹をみると、こちらまで心が真っすぐになりそうだ。

 

もう二つ特長がある。人々がおおらかなこと、
地域文化や諸活動が目白押しなことだ。

 

早朝の体操していると、おっさんや若者、お姉ちゃんが挨拶してくれる。
親しくなった近所の人は、「11月20日ごろ取りにおいで」と渋柿をくれる。
それは吊るし柿になって、周りに回る。
最初市役所で移住のお世話になった人が、街中で声をかけてくれる。
調査に来た豪雪の折に、寒すぎて郵便局に飛び込んで鼻をすすっていたら、
「お茶が入りました」とさりげなく湯気立つあったかぁい加賀棒茶を出してくれた。
塀で囲む家は少なく、庭を通り抜けても大目に見てくれる--
なんだか昭和にもどったようだ。

 

 

こないだできた『百万石ビブリオバウム』という多機能図書館は世界を見ても斬新な仕組みだし、金澤らしく木をふんだんに使ったほっとする施設だ。ほかにも沢山の美的センスにあふれる施設がある。


そして、そうしたところでスポーツや健康関係、文化教養先進技術活動や講演会、会議が目白押しに催される。
千年構想企画をまとめてるマルコは休む間もない。

先週は、43回目の健康フェアを4時間ほども楽しんだ。
数日前は次世代産業育成講座「日本の伝統発酵食品の健康機能性研究」を受講したし
街中コンサートでアンサンブル、一昨日は市役所の瀟洒な入口ホールでのランチタイムコンサートを聴きに行く。
昨日の快晴日は、街中キャンプ、金澤パン祭り、石引の地域コンサートなどみて
地域の子供も演奏したりして楽しんでいる姿に驚くのだ。

 

               街中キャンプ

 

    

            こじんまりコンサート


十月の「『金沢市宇宙産業シンポジウム』なんて、すごいことを考えるなぁと思える新産業の芽吹きの会議だ。『国際交流祭り』、『エコフェスタ』など休む間もない中、諸施設ではナイトミュージアムがしょっちゅう催される。

 

かって、ドイツのワイマールで、町中で催される音楽会を朝から晩まで一週間巡った。
「音楽文化のメッカだなー」なんて驚いたな。
金澤は工芸芸術スポーツなど多彩な分野で人々が催しを支えているのだ。
大昔から根付いている町会制度が基礎にあるからかもしれない。

 

 

友人が言った「京都はお公家さんの文化都市、金澤は武家の文化都市」
まったくその通り。


私達に老いはどんどん進み、残り少ないマルコは祈る

 

友人縁者の住めば都の極楽模様あれかし

 

         ビブリオバウムを照らす夕闇の名月(小さな三日月)