来る道、行く道 <心にヒビが入る時>
特技の尻餅で、母がこけた。
にこやかに禿頭を撫でて
「まだあるわよ、 たくさん」
と慰めてくれた “ 母 ” はもういない
胸骨12番圧迫骨折という重荷を背負って
母の顔から笑顔が消えた
できなくなった悲しみ、いらだち、不安と恐怖、の三重苦
私の部屋で大きくピシリッ!と音がした
なにかぃな?と不審に思った翌日、
分厚い窓ガラスのヒビに気づいた
ガラスは瞬間接着剤で補修できる さきに時ある私たち自身の心は自分で修理できる
マルコは修行いたらず
独りしぼみゆく母の心のヒビを治せもしない
外にある心の接着剤を誰か持ち合わせはないだろうか?
求む、もとむ! 割れないうちに