日陰の場所を三つ葉畑とした。おととし母上亭の種を持ってきて蒔いたら、
一本育ち種が散って三つ葉地となった。今秋も芽が出て地面を緑で覆う。
老人性弱視症でも、何かうごめいているのが見えた。
「なにものだ?」
「お久しゅう。青虫でございます」
ひいふうみいよう・・・たくさんいるね
「この縞模様、ひょっとしてキアゲハの子供さん?」
「あたりです。ようやく五齢になったの、」
「久しく見なかったよ」
パセリ、人参なんかも植えたから親御さんが来たのだろうか
つついてもあの臭気を放つ角を出さなかった。
きっとこの凍える寒さに体が固まってるのだろうね。
寒くて アゴが動かないぃ~
ここまで芋虫してきたら、しばらくするとサナギになる。
「来年会おうね」
「はい、しばしお別れを」
それまで真っ黒の芋虫は五回目の脱皮後
人には出せないこの黄色と黒に赤の斑点を装い
よくぞ麗しく着飾ったものだ