富の托かり方 41-1 < 銭屋五兵衛Ⅰ-序 >
多くの人が産まれてこの世を去っていった。
マルコの試算では、人類史上500億人が生去したと思う。
暗記物としての歴史は苦手で、いつも40点ぐらいで暗い過去の一つ。
一面的でしかない歴史に名を残す人の裏に、
なんと多くの偉人賢人、そして悪人非道人がこの世を支えていたことか。
これは『五百億歴史』というに値する。
銭五の調査のために金沢に滞在して、その意を深くした。
銭五:銭屋五兵衛
この名前を知っている人は希だろう。
満瑠壺が人生の達人と崇めている、
中国二千五百年以上前の人 范蠡。
満瑠壺もそうありたいと念じ続けている
五百年先を俯瞰して夢の種を蒔いた、
スペインのボカベーリア。
そして、富をみごとに使った、米国の
アンドリュー・カーネギーや日本の本多静六。
これらに匹敵する陰の偉大なる人が銭屋五兵衛だった。
銭屋五兵衛、略して銭五と呼ばれている侍(サムライ)の
みごとな生き様を三部に分けて報告する。
Ⅰ.大商人としての足跡:海の百万石
Ⅱ.陰徳・富の活用の足跡:富国民利の大旦那
Ⅲ.大いなるものに帰依する侍魂:時超サムライ