マルコの人生で長いつき合いだった肝炎君と
別れが近づいてきたようだ。
吾が日本国では例がないらしい
ジェノタイプⅢ-a、bとレッテルがつく
へんてこ、珍品、国宝級のタイプだ。
(ジェノタイプ=遺伝子型 Ⅲ-a、bは変人型 Oo..... )
どんな治療もこのウイルス君には通用せんので
追い出すことは忘れ去っていた。
年月が流れ、この珍肝炎タイプにも
効果があるという薬が昨年末に出た。
その名はマヴィレット。
激烈な副作用のあるインターフェロンとは
比べものにならん ヘノカッパ副作用だという。
(だからか珍妙にも、インターフェロン・フリー療法といわれる)
その一世代前のハーボニ-は
私には効果がなさそうだった。
なのに料金が卒倒する程高価で、不思議なことに
エジプトならば1/10だと先生は仰せだった。
しかしだ 、今回のマヴィレットも驚く値がする。
1錠2万4210円、一日三錠7万2千円!
年寄りにそれだけ注ぎ込んでよろしいのかな?
それは別として一年程前から肝炎君に相談した。
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「あんたとのつき合い長いなぁ」
肝炎ウイルス「そや、住み心地いいわぁ (^_-)-☆ 」
「アンタが悪いことすんやのうて、マルコの肝臓どんが
あんたらを感知してなぁ、自分の肝細胞をこわすんや」
肝ウ「わしら、なかよう暮らしたい」
「まぁ、あんたらがおとなしゅうしてくれたら
ずっとおってええって、しょっちゅうゆうてたから、
まァ はんぶん脅かした、ハハハ・・・
ほんと長年いい子してくれとったなぁ」
肝ウ「確かに、マルコがくたばったら、
わしらもお陀仏と気がついたもん」
「なかようしとったから、云いにくいんやけど・・・」
肝ウ「覚悟しとる、マヴィレットやろ」
「すまんな、あんたら追い出すことになる」
肝ウ「ほんま、長い間気持ちよぅ居らしてもろたから
エエとおもとる」
さらば別れの一献
「その潔さ大好きや
それになぁ、人が経験できんこと味わった」
肝ウ「それなに?」
「若くして、病院に長逗留したやろ、
病というものと、特に“ 老い ”をぎょうさん見て
ヒシヒシとなぁ 実感した」
肝ウ「さよか、わしらそんなもんない」
「人だけが、人生を辿る。 マルコなぁ
青年時代に定年後の、昔風にゆうたら
隠居後のヨタヨタ生活味おうた」
肝ウ「ふーん」
「仲間達はいまどきそれを感じてるやろ、
マルコは逆転して 若くして老後を味おうた。
もしもやで、マヴィレットであんたらとさいならしたら
30-40代に戻ることになるかもね」
肝ウ「なにゆうとん? ♪ これからもヨタヨタ生活かもね ♪
いらん事ゆうた、まぁ back to the Future ! 」
「若いときから早寝早起き腹八分目をせなあかんかったから、
今はなんの苦もあらへん。 むりは少のぅしたなぁ
そういうことで有難いとおもとる」
肝ウ「そりゃわしらの怪我の功名、フフ
出世も稼ぎも忘れたなぁ マルコ 」
「フム縁なかった もしもやで、新薬であんたらとおさらばしたら・・・
その後むりしたり、酒飲んだりするかもなぁ」
肝ウ「そうや、意志薄弱マルコよ
わたしら、日本国からそろそろおいとまする時期なんや
あとはマルコ、あんた次第
人もウイルスも栄枯盛衰、留まることあらへん」
「・・・これから時々、弔いブログ記録に残しとく」
肝ウ「ええ想い出として残しといて、ゆっくりなぁ
“ Old soldiers never die, we just fade away ”する、
千年構想がんばりや」
「よっしゃ!」
別れもいろいろ