鈴木大拙館では、色々な宴が催される。
この仲秋名月時には、萩を飾っての
はぎの節会が、会員限定でひらかれた。
マルコは初めての参加だ。
広々した水鏡の間を取り囲んで、音楽を味わう。
放送局のアナウンサーが司会して、学芸員の猪谷さんの
造詣深くも柔らかな語り口に妙なる境地へ引き込まれる。
演奏が終わると拍手だけれど、おきまりの「今一度
盛大なる・・・」の司会者の催促で手が痛くなった。
曲終える 拍手は虫の 鈴しぐれ
多くの生き物や人々をもふんわりと包み込む
本多の森を逍遙しつつ、冴え渡る月を見上げていた。
めぐみぞあふれる父上が遺してくれた遺産時である
この水面が水鏡の間