千 年 の み ち

“渡り鳥” が描く今と未来               たちばなマルコ

 変人寄人さあ大変 < サボテンはおっぱいがお好き >


元実業家との話。

「お部屋の植物、いくら手入れしても枯れるのよ。
わたしひょっとしたら、鉢植え植物の生気を吸い取るのかしら」

「そや、だから元気でおれるんや、おそろしー
満瑠壺はサボテンと気があう。旅行から帰った時ほっそり顔も
水やったら見事によみがえる」

「そうサボテンは育っていいけど、痛い思い出があるからねぇ・・・」

              f:id:Mtatibana:20160906183313j:plain

                                サボテン子イヌ 「 わかる! 」




むかし後輩をかばって、会社の上司と諸肌脱いでけんかしたわ。

で、気にくわない上司の指示で動くの苦手なものだから、
自分で事業を興したの。

ある晩だけど、お酒が入っていたこともあってね、
おうちに帰ったとき、電灯を点けなかったのよ。

ほてるから上着を脱いだのはいいけど、暗闇でよろけてしまったの。

ところがねぇ、テーブルの上に手をついたので
倒れなかったのはいいのだけど・・・

うん悪く飾っていたサボテンに、ワ、わたしのおっぱいがかぶさったの!

 

 

    f:id:Mtatibana:20160906183710j:plain

         わたし、進化の最先端よ  白美人

 


痛いのなんのって、丸くて細いとげや毛が生えているサボテンによぉ!

大急ぎで病院に行ったけど、夜でしょ、夜勤の勤務医しかいないのね。

若い夜勤医「どうされましたか?」

「あのぉ。痛いんですぅ」

「どのあたりでしょう」

「このあたりです」

「ウ、胸ではなくて、ニュウボウ乳房ですか」

「は、ハイ・・・・」

若い先生は授業では習わなかった怪我の治療に、
顔を染めながら頑張ってくれたのよ。

一面に細いとげが刺さっているから、毛抜きで引っ張っても
掴みにくいし手が震えてる。

中々はかどらないから、
「ではガムテープで引っ付けて一挙に」と提案なさるのよ。

考えてもみて、かっこいいのが自慢の私のおっぱいが
ガムテープでベトリと覆われて、引きはがされるのよぉ!
イタタタタ

「せんせ、もおいいですぅ・・・ ほんと色々とお世話になりました」

「こちらこそ、有難うございました」

先生、すぐへんなことを口走ったことに気づいて
「あ、やや、申し訳ありません、治せなくて・・・」




満瑠壺は不謹慎にも、人々の幸・不幸に笑い転げたのだった。
服を着ると、とげが痛くて仕事にならなかったそうな

その後どうしたかしらない。サボテンの針はしばらくフンワカ山で
くつろいだのだろう。

そのお人、治療場所はしかと憶えていて、

コウユウカイキネン病院だとか。