変人寄人さあ大変 < サボテンはおっぱいがお好き >
元実業家との話。
「お部屋の植物、いくら手入れしても枯れるのよ。
わたしひょっとしたら、鉢植え植物の生気を吸い取るのかしら」
「そや、だから元気でおれるんや、おそろしー
満瑠壺はサボテンと気があう。旅行から帰った時ほっそり顔も
水やったら見事によみがえる」
「そうサボテンは育っていいけど、痛い思い出があるからねぇ・・・」
サボテン子イヌ 「 わかる! 」
∞
むかし後輩をかばって、会社の上司と諸肌脱いでけんかしたわ。
で、気にくわない上司の指示で動くの苦手なものだから、
自分で事業を興したの。
ある晩だけど、お酒が入っていたこともあってね、
おうちに帰ったとき、電灯を点けなかったのよ。
ほてるから上着を脱いだのはいいけど、暗闇でよろけてしまったの。
ところがねぇ、テーブルの上に手をついたので
倒れなかったのはいいのだけど・・・
うん悪く飾っていたサボテンに、ワ、わたしのおっぱいがかぶさったの!
わたし、進化の最先端よ 白美人
痛いのなんのって、丸くて細いとげや毛が生えているサボテンによぉ!
大急ぎで病院に行ったけど、夜でしょ、夜勤の勤務医しかいないのね。
若い夜勤医「どうされましたか?」
「あのぉ。痛いんですぅ」
「どのあたりでしょう」
「このあたりです」
「ウ、胸ではなくて、ニュウボウ乳房ですか」
「は、ハイ・・・・」
若い先生は授業では習わなかった怪我の治療に、
顔を染めながら頑張ってくれたのよ。
一面に細いとげが刺さっているから、毛抜きで引っ張っても
掴みにくいし手が震えてる。
中々はかどらないから、
「ではガムテープで引っ付けて一挙に」と提案なさるのよ。
考えてもみて、かっこいいのが自慢の私のおっぱいが
ガムテープでベトリと覆われて、引きはがされるのよぉ!
イタタタタ
「せんせ、もおいいですぅ・・・ ほんと色々とお世話になりました」
「こちらこそ、有難うございました」
先生、すぐへんなことを口走ったことに気づいて
「あ、やや、申し訳ありません、治せなくて・・・」
∞
満瑠壺は不謹慎にも、人々の幸・不幸に笑い転げたのだった。
服を着ると、とげが痛くて仕事にならなかったそうな
その後どうしたかしらない。サボテンの針はしばらくフンワカ山で
くつろいだのだろう。
そのお人、治療場所はしかと憶えていて、
コウユウカイキネン病院だとか。