千 年 の み ち

“渡り鳥” が描く今と未来               たちばなマルコ

 秋分の日、父と語る :養眞-21

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          小菊


彼岸にて、吾が父上は愛猫メリーとともにいる。

 

若い頃、人生の道を選び迷った末、鈴木大拙の導きで
安寧平安の内に人生を送った。

 

マルコが幼い頃から、その傍で足取りを目の当たりにして、
今更ながらよき師がすぐそばについて薫陶三昧だったなぁ
としおらしく幼心になる。

 

目標達成型の頑張り人生ばかりなら、いずれは愕然とする。

それ以外に、こころ閑かに何もない境地に安住する
満たされた心持ちになることを教えてくれた。

 

一言で言うと

することのある充実と、することのない平安

の二世界を両方楽しめる、ということ。

それが、バランスよい人生だ。


学生時代に一念発起した大著を老年でまとめ上げ、
のち、母もうらやむ相棒メリー猫と安寧(安らかに落ち着いている)
日々を過ごした父上だった。

 

二階の窓から世間を眺めて、子供に手を振り
「マルコ、このままいつ死んでもええな」
とにこやかに述懐していた。

 

秋分の日、外は嵐だけれど、好みだった
母上の密造ワインをお供えしよう。

 

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       左が母のシェリー葡萄酒