南半球をぐるりと回っているとき、同室のSさんというお人の話は広さと深みがありました。
奥さんは難病で他界しており、追い打ちをかけるように旅立ち寸前の24年9月に若い娘さんを亡くしました。墓碑には「ありがとう」のひと文字が書かれてるのだと淡々という目は潤んでいたのです。
娘さんはノンフィクションライターで、佐々凉子といいます。世界配信されたエンジェル・フライトの著者でした。若い時から生と死をテーマにしての取材に明け暮れて「あの娘は男に産まれていたらなぁ」との述懐にこの世の不思議を見たのです。
私マルコは、いつも傍に死があったのでその著書をすんなりと読み終えたのですが、一般的には避けたくなるテーマでしょう。
書籍は本という物以外に、著者との対話の面があります。
その対話から、佐々凉子は自他のこころの出所をみごとに掘り当てていました。
己を知る、他を知ることは並大抵ではありません。下記に紹介するドラマは観てはいませんが、国際霊柩送還士という仕事に打ち込む人々の求道的物語です。
それ以上に、Sさんや佐々凉子と家族の話も、慈愛溢れるドラマになるなと思ったのでした。
<テレビなし生活一年のマルコより>