千 年 の み ち

“渡り鳥” が描く今と未来               たちばなマルコ

アルミ鍋とシャワーキャップ

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       濡れるの嫌じゃ

 

商社マンの親しい人が教えてくれた。

 

「マルコ、シャツはなぁ裏返して着るといいんや」

 

ふとした雑談の中に、知恵が感じられたので、実際やってみた。
調査旅行で洗濯ができない時だ。
オーいける、うまくやると四日もつ。

 

このお人は、敗戦後の世情混乱の時、アルミ鍋の闇取引して
警察に捕まって親御さんになんとか引き取ってもらい、
金銭的にも大きな負担をかけた。

親御さんは手持ちの優良不動産を売ってこのお人の損を埋めたそうだ。
本人はそれを知らず商社で活躍して金属部長を勤め上げた。

親御さんは「もしその土地があったら今どきすごい財産やなぁ」
と漏らしていたそうな。
しかし親御さんがなくなった後、その隠された行為を知らぬ親戚連中は
「あるはずだ!」と遺産もめしたようだ。

人は無知で、天は見ている。


別の人はこんなことを漏らした。

「ドイツ語の教授をしている甥っ子がヨーロッパが好きで
 連れて行ったときのことや。
 ドイツの古い街を散策している時、雨が降り出した。
 わたしゃな、ポケットからシャワーキャップを取り出して
 さっと頭にかぶせて歩いた。

 すると甥っ子が“おじさん、そんな格好悪いことしないでください”
 と言うんだな。  ハハハ!」

 

他人に何一つ害を加えるでもないし、特にヨーロッパのような
個人主義のところでは気にもとめない。
人々にどう見られるかだけを気にして行動を制限されるのを
哀れに思ったのである。


ほのぼのする自由自在の中で暮らしたいものだ。

 


前者はマルコの叔父であり、後者は父上である。

私はそうした血を引いている
カナダのビクトリア島へ砂金探しに出かけたのは、叔父の気質である。

こんな話を聞くにつけ、陰の行為に護られてるだろうと腑に落ちるし
賢いやり方は今なおやってみるからからずっと変人のままだ。

 

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