千 年 の み ち

“渡り鳥” が描く今と未来               たちばなマルコ

最上のわざ


この世の最上のわざはなに・・

 

 

楽しい心で年をとり
働きたくとも休み
喋りたくとも黙り


愛するものとも距離をとり
失望に沈むときにも希望し
ただ順天に、淡々と
おのれの辛苦を担う

 

 

おのれをこの世につなぐ鎖と
おのれといにしえをつなぐ鎖を
少しづつ外してゆくのは
まこと、えらい務め・・・

 

 

若人が元気いっぱい道をあゆむを見ても、ねたまず
人のために働くよりも、けんきょに人の世話になり
弱ってもはや役だたずとも、親切で柔和であること--

 

 

こうして出来なくなること増しゆくと
あとは、いのりだ
天は最後にいちばんよいことを残してくださる
手は何もできないけれども合掌できる
やさしく鎖も心もとかせる

 

 

至らなくても、すべてなし終えたら
臨終に天の声を聞くだろう
「来たれ、わが友よ。天、汝を見捨てじ」と

 

 

   上智大学学長を務めたホイヴェルス氏がドイツに帰国後、南ドイツの友人から贈られた詩
           2004.3 石垣島の図書館にてマルコ追補

 

 

         沙羅の花夢のごとしと語り終ふ    (岡田万壽美)

 

      お迎えちこうなるとね、この詩の慰みが染み入る

 

昨年は多くの人々が逝去した、

友人たちは年老いてかっての面影が薄れてくる

 

若い人にはまず分からない