千 年 の み ち

“渡り鳥” が描く今と未来               たちばなマルコ

いらない老人性勲章

草むしりをしたら、いつも体中が痛痒くなる
痛さと痒みにめっぽう弱いマルコは、皮膚科に行く

 

 

昔、ある大きな病院でM先生はなにも看ないで叱りつけた。
「そんなことで来るな!」
何を言うか!患者の身になったこともない椅子医者が、
といい返そうと思ったが、ぐっと飲み込んだ。 
この歳になって怒ると、千年構想の布施ツボに一万札放り込む約束をしているからだ。

 

 

 ようやく気さくなK先生に出会ったので早速行った。患者が20人ほども待っている人気の先生だ。


マ「K先生これは何の虫に噛まれたんでしょう?」
K医師、見ながら「フーム・・・わからんね、虫よけ薬塗って草むしり、部屋は防虫ですね。塗り薬出しときましょう」とニッコリ顔を向けてくれた。

 

冬に足の指がしもやけになったら
K医師「足指には血液が行きにくい、老人性しもやけですよ」
マ「さよか・・・」

 

あるときやたら頭がかゆいので相談した。
少ない髪をより分け見ながら
K医師「これはねぇ---老人性脂漏症です」
マ「エ?なんですか」
K医師「年取ると、足の方は脂が切れて、頭の方には脂がたくさん出るんです」
そうか、脂は上に浮かぶのだ。

 

マ「先生頭のかゆみはおおよそ治ったけど、ここだけがずっと痒いんです」
K医師「ふーんこれは--老人性イボです」
マ「イボ?」
K医師「そうです、正式名が老人性脂漏性角化症ってゆうんです」と嬉し気にわらう。

 

 

マ「昨年八月から透明な鼻水がしょっちゅう垂れて」
A看護婦「それは---老人性鼻漏症ですね」

     

 

そのほか、老人性サルコペニアだし、老人性フレイユ、老人性体重減少症、

老人性ハゲ症、老人性弱視症、老人性欲張症、老人性骨粗鬆症

老人性高血圧症、老人性前頭側頭型認知症、老年症候群、老人性愚痴症など、

狭い胸に貼り付けられんほど老人性勲章が増えてきて、老人性うつになりそう